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コトバごった煮

Bon appétit.

(1)ポケモンのローカライズと発売時差

ポケモンゲーム各バージョンの発売日と、世界でのその差を調べてみました。

色々と書く前に基礎知識をば。

 

9言語で遊べるポケモン

 ポケモンゲームというのは、1996年の初代「赤・緑」バージョンに始まり、2016年の最新作「サン・ムーン」バージョンまで、マイナーチェンジ版も含めて27バージョン発売されています。ちなみに新作は3年~4年周期で発表され、その発売1年~2年後にそのマイナーチェンジ版が出るのが恒例となっています。(マイチェン版の代わりに既作のリメイク版が出たりもします)

 ポケモンは日本のゲームフリークが作っているものですが、海外でも各国語バージョンとして発売されています。1996年の「赤・緑」ではまずアメリカで英語版を発売し、その後ヨーロッパの言語(独・仏・西・伊)にも翻訳されました。2006年の「ダイヤモンド・パール」からは韓国語版が登場しましたが、2012年の「ブラック2・ホワイト2」までは、各国語版はその言葉が用いられている地域でしか販売されていなかったため、例えば「ポケモンでイタリア語を遊びながら学びたいな~」と思っても、なかなかそれを実現するのは難しかったんですね。(探せばヤフオクなんかで買えますが)

 しかし2013年の「X・Y」バージョンで、なんと、世界のどの地域で買ってもプレイ言語が7か国語(日・英・独・仏・西・伊・韓)から選べるようになりました!いやあ凄い凄すぎる。容量どうなっているんだろう。そして語学スキーの人にはたまらないのではないでしょうか・・・?私も「ただのゲームじゃない。これは教材だ!」と言いたかった。

 

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X・Yでの最初の画面(7か国語)

 

 ちなみに最新作「サン・ムーン」では中国語の繁体字簡体字も追加され、現在は9つの言語から選んで遊べるんですよ~。中国の人はいままで英語とかでプレイしてたのかな。そして新しい言語を加えるということは、シナリオの翻訳だけでなくポケモンの名前もローカライズチームがいちから考えることになりますから、さぞかし大変な作業だったのではないでしょうか。ちなみに先日、ミラクル交換(世界中の人と交換できるシステム)で偶然中国の方から「滴蛛」という名前のシズクモが送られてきました。そのまんまなんだ。笑

 それで、この各国語に翻訳するローカライズという作業があるんですけど、素人の私にもわかる。言葉で言い表せないほどに大変だということが。「X・Y」のプロデューサーの増田氏はこんなことを語っておられました。

岩田 なかでも最大のハードルは何でしたか?

増田 やっぱりシナリオです。

   これまでは、まず日本語で書いて、

   それを英語に翻訳してから

   フランス語やドイツ語などの

   各言語に訳すようなかたちだったんです。

   でも今回は、日本語から直接

   それぞれの言語に翻訳するようにしました。

岩田 まさに、“直接!”ですね(笑)

増田 はい(笑)。“直接!”でしたので、

   かなりスピーディーに翻訳作業ができたと思います。

 

 

 なるほどポケモンでは、日本語のオリジナル版を英語に訳し、その後その英語版を各国語に訳しているんですね。そしてその翻訳作業などに時間がかかるために、それまでのバージョンでは世界同時発売が難しかった、というようなことも読み取ることができます。・・・やっと本題に入れますが(何時間かけて書いているのだろう)、さて、ポケモンはどのくらいの時間をかけ各国語版として世界で発売されるのでしょうか。見ていきましょう。

 

4年かかってイタリアへ(1996年赤緑)

 まず1996年の「赤・緑」。日本では1996年2月27日に発売されましたが、急激に人気を得たのではなく、じわじわと小学生の間に広まっていき、コロコロコミックでの「ミュウプレゼント」企画で大ブレイクした、という説が有力です。そして同年10月にマイナーチェンジ版の「青」が限定販売、のちに一般販売されます。これは日本限定です。その後「ピカチュウ(黄)」が発売されます。

 日本に「黄」が登場したころ、海外、やはりまずアメリカで「赤・緑」が発売されます。これが日本版の2年後、1998年9月のことです。ただし名前は、「Red/Green」ではなく「Red/Blue」(データ・グラフィックなどは青に準拠)。まもなく同じ英語版を販売できるオーストラリア・ニュージーランドで、その後1999年に欧州のイギリス、ドイツ・フランス、スペインでも各国語版が販売開始となりました。そしてついにたどり着いた。イタリア語版、2000年2月12日発売。(遅えええええ) ※この頃すでに日本では次作の「金・銀」が発売されてます

 

 ということで、この頃「日本語→英語→欧州各国語」というふうに訳されていたとして・・・

日 1996年02月

米 1998年09月 →日の約2年7か月後

欧 1999年10月 →米の約1年後

伊 2000年02月 →米の約1年4か月後、日の約4年後

 

 おお、こんなに時間がかかっているのか。でも遅れて登場しても、きちんと売れているから本当に凄いことですよね。

 ポケモンシリーズで初めての作品なので、最初から本気で海外に売り出すつもりではなく、じっくりと売れ行きを見ながら世界で発売していったのではないでしょうか。次作の「金・銀」以降は「赤・緑」の成功によって「イケる」と判断でき、世界発売を前作より急いだかもしれない、と考えれば、この「赤・緑」の世界発売の時差はこれ以降の作品のそれと比べることはできないんじゃないかと思います。それでも参考になればと思い今回は調べて書いてみました。ちかれた。次回は「さすがに韓国語は英語を介してないやろ」・「見える、見えるよローカライズチームの努力が」・「そして世界同時発売へ」の3本です。うふふふふ~